アニサキスによる食中毒

2017年 10月 20日 金曜日

季節はすっかり秋めいてきました。
秋から冬にかけて旬を迎える魚はたくさんあり、楽しみな季節です!

ところで、皆様『アニサキス』をご存知でしょうか?
魚介類に寄生する寄生虫で、寄生した魚介類をヒトが食べることにより、まれに食中毒を起こすことがあります。
今年の春頃、芸能人の方がアニサキス症になったと話題だったので、ご存知の方もいらっしゃると思います。

では、魚が美味しいこれからの季節、アニサキス症にならないためにはどうすればよいか、厚生労働省のHPより抜粋してご紹介します。

 

■ アニサキスとは?
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、その幼虫は長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。
人への感染源となる魚介類は、サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなど
日本近海で漁獲されるものでも160種を超える魚介類に寄生していることがあります。
魚介類の内臓に寄生しているアニサキス幼虫は、鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動することも知られています。


■ アニサキスによる食中毒はなぜ起こるのか?
生鮮魚介類を生(不十分な冷凍又は加熱のものを含む)で食べることで、
まれにアニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。

  • 急性胃アニサキス症
    食後数時間後から十数時間後にみぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。
  • 急性腸アニサキス症
    食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。

刺身や寿司など海産魚介類の生食を嗜好する食習慣がある日本では、
諸外国に比べて症例数が圧倒的に多いそうです

 激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる際は速やかに医療機関を受診しましょう。

 

防ぐためには?

  1. 魚を購入する際は新鮮な魚を選び、丸ごと1匹で購入した際は速やかに内臓を取り除く
  2. 魚の内臓を生で食べない
  3. 目視で必ず確認

一般的な料理で使う食酢での処理や塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません
コーデックス委員会(国際的な食品規格の策定などを行う機関)の指針では、
中心部の加熱(60℃で1分)又は冷凍(-20℃で24時間)することが推奨されています。

新鮮なものを選ぶのはもちろん大前提ですが、
以上の3点を守って、これからの季節の美味しい魚料理を食べたいですね!

 

実は先日、スーパーで買った鱈の切り身に、
2cm程度の繊維状で、良く観察しないと鱈の肉片と見間違えそうな色の虫が付いていて、
ぞっとしたことがありました・・・。
調べてみたところどうやらアニサキスではないようでしたが、
寄生虫による食中毒の危険性は意外と身近に潜んでいるんだなと思い、今回はこのお話にしてみました。