郷土食への想い

2013年 1月 21日 月曜日

新年明けましておめでとうございます。Koharuです。

健やかに清々しい気持ちで新年を迎えられたことを、幸せに感じています。                      今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

さて本日は、私の生まれ故郷である栃木県の郷土料理「しもつかれ」をご紹介します。

栃木県では有名な料理ですが、ご存じでしょうか? 

名前の由来ですが、 栃木県は昔「下野 (しもつけ)」の国と呼ばれていました。そのため、この下野に由来しています。「かれ」は、食糧の「糧(かて)」が訛り「かて」と変化し、下野の国の食べ物を意味するともいわれていますが、由来には諸説あるようです。

作り方は、塩鮭の頭、煎り大豆、荒くおろした大根と人参、油揚げなどの材料をじっくり煮込み、酒粕を加えます。味付けは、素材の持ち味を生かすため、少量の塩または醤油でシンプルに仕上げます。 味の決め手となる酒粕が入ることで独特のコクが出て、とても深みのある味わいになります。

「しもつかれ」に使うダイコンやニンジンは、「鬼おろし」という竹でできた目のあらいおろし器を使うことが特徴です。材料を大きく削ることができるので水分がでにくく、野菜の風味を残すことができます。昔からそれぞれの家に代々受けつがれてきた作り方があり、同じ「しもつかれ」でも、家庭によって味が違います。

この料理は行事食でもあり、初午(2月最初の午の日)に、赤飯とともに稲荷神社にお供えをする風習があります。寒さの厳しいこの時期に食べると、身体がじんわりと温まります。

先人の知恵は素晴らしく、使用する食材には無駄がありません。旬の甘味をもった大根と人参、お正月で余った塩鮭の頭の部分、節分の大豆等を上手く組み合わせています。また栄養面からみても、アミノ酸バランスが高く、ビタミン、食物繊維、カルシウムも豊富な料理です。

現代は忙しさに追われ、身近にある食材を無駄なく使い手間をかけて調理する気持ちが少しずつ薄れてきているのかもしれませんね。

食材が豊富に手に入ることが普通となった現代ですが、苦しい時代を生きぬいてきた先人の知恵や食べ物を大切にする想いを忘れずに、後世にもこの味を伝えていきたいと思っています。