下痢や嘔吐で脱水状態になったら・・・
2015年 2月 5日 木曜日
立春を過ぎたというのに、寒い日が続いています。
本当の春までは、まだまだなのでしょうか?
寒くなり体調を崩されている方も多くいらっしゃるようです。
インフルエンザやノロウィルスなどに罹られた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
インフルエンザやウィルス性胃腸炎に罹り
発熱、下痢や嘔吐の症状がある時は脱水の危険が高まります。
脱水状態時には、水分補給がとても大切です。
今回は、脱水時の水分補給についてお話します。
発熱、下痢や嘔吐や食事摂取量が低下があるときは水分と塩分をたくさん失います。
水分と塩分を失うと脱水になります。
すばやく失った水分と塩分を補給しなければ、脱水はどんどん進行してしまいます。
水分補給と聞くと、皆さんは水やお茶を飲むことが良いと思っていませんか?
脱水の時に水やお茶などで水分補給をしても、塩分が補給されないため
体液が薄まってしまいます。
人間の身体は、体液を一定の濃さに保つ働きを持っています。
そのため、たくさん水を飲み体液が薄 まると、余分な水分を排泄し
体液の濃さを保とうとします。
結果として、補充した水分を排泄してしまうため、
脱水の改善には結びつかない状況となってしまいます。
水分と一緒に塩分を摂らなければいけません。
そこで、梅干を一緒に食べるといいとか水に塩を加えたほうがいいとか
様々な方法がありますね。
この対応方法は正しいのでしょうか?
確かに塩分を一緒に補給するという意味では合っていると思います。
ただし、脱水のときはすばやく水分と塩分を補給することが大切です。
水分と塩分だけでは吸収は速く行われません。
ブドウ糖の存在が必要です。
口から飲んだ水や塩分は腸管から吸収されます。
腸管からの吸収を速くするためには、大切な条件があります。
ナトリウムとブドウ糖がある一定のモル比(※注)であると腸管からの吸収が速くなります。
※注 各成分の量をモル数で表したものの割合。
モル:物質量の単位
物質の分子量の数字にグラムをつけた質量に含まれる物質量が1 モル。
例えば酸素分子の分子量は 32.0 なので、1モルの酸素分子は 32.0 g
そのバランスに合わせて飲料を作ると、結果的に浸透圧が体液より低くなります。
吸収に関して浸透圧の低さだけに拘ってしまう方が多いようです。
実は、腸管からの水分と塩分の吸収の速さは浸透圧だけが
関係しているわけではないんですね!
では、実際に脱水の危険がある、すでに脱水状態になっているときは
何を飲むのがいいのでしょう?
そこでお勧めなのが、市販されている経口補水液です。
塩分が含まれているだけでなく、ブドウ糖も含まれており、吸収が速く行えるよう
成分のバランスを調整しています。
日常の水分補給であれば、スポーツ飲料などでも十分に対応できますが
脱水状態の時には経口補水液のほうが適しています。
塩分だけを加えたり、糖類が多く含まれていては吸収は速く行われません。
上記のことから脱水状態に適した飲料は、市販の経口補水液です。
脱水の危険があるとき、脱水状態になったときは市販の経口補水液を
早め早めに飲みましょう。
他の飲料に比べて塩分の濃度が高 いため、
高血圧や腎疾患、心疾患がある方は主治医に相談のうえ
飲用いただくことをお勧めします。
また、嘔気があるときは一度にたくさん飲むと
刺激となり吐いてしまいます。
少しずつ、様子を見ながら飲みましょう。
インターネットで手作りの経口補水液をよく見かけますが
実はお勧めできない!その理由を次回はお話します。
Posted by mlblog02.
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