2017年 4月 26日 水曜日

まだ4月だというのに、
先日、東京では4日連続の夏日となりました。

暑くなるとビールを飲みたくなりますよね。
気温が上がれば上がるほど、
ビールの売り上げは伸びるようです。
今年の夏も全国的に厳しい暑さになるという
予報が出ています。
私のビール消費量も増えそうな予感がしています・・・

さて、今回はアルコールと水の関係です。

お酒を飲むと、トイレが近くなりませんか?
これはアルコールの利尿作用によるものです。
アルコールは抗利尿ホルモン(ADH、バソプレッシン)の分泌を抑制します。

抗利尿ホルモンとは、脳下垂体後葉から分泌されるホルモンです。
名前のとおり、利尿を妨げます。
抗利尿ホルモンが分泌されると、腎臓での水の再吸収を促進することで、
体内に水分を溜め込みます。
飲酒によりこのホルモンが分泌されなくなると、トイレが近くなります。

次にアルコールの排泄です。
アルコールはアセトアルデヒドを経て、酢酸に代謝されます。
ただし、摂取したアルコール全てが
酢酸に代謝される訳ではありません。

飲酒者の尿中アルコール、アセトアルデヒド濃度は、
健常者よりも高いというデータがあり、
一部はアルコール、もしくは、アルデヒドのまま
尿中へ排泄されていることがわかります。

お酒を飲むとトイレが近くなりますが、
その方が、尿としてアルコールを排泄できるんです。
しかし、水分を十分に補給しなければ脱水が進行します。

それでは、脱水になっている場合にはどうなるのでしょうか?
身体の水分が不足すると、腎臓で水分の再吸収が行われ、尿量が少なくなります。
そうすると、尿中に排泄されるアルコールの量も少なくなります。
つまり、水分を十分に摂取した方が、アルコールやアルデヒドの排泄も促進できるんです。

.
.  脱水予防のためにも、
.  アルコールの排泄を促進するためにも、
.  お酒を飲む時には、水も一緒に飲むことが大切!
.  目安はお酒と同じ量の水分です!

旨み

2017年 3月 27日 月曜日

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桜の咲く季節となりました。
この春、進学される方や新社会人になる方は、 希望に胸を膨らませていると思います。
キラキラを輝いている様子は見ている私たちも、 心が洗われるような
清清しい気持ち
になりますね。

さて、今回はどんな話題にしようかと迷いましたが・・・、『旨み成分のお話し』をしようと思います。

人には『五感』と呼ばれる感覚機能があります。
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「視覚聴覚」触覚嗅覚」味覚です。『味』に関する認識は「味覚」が担っています。

●味覚って?
基本として5つの味があげられます。『甘味』『塩味』『酸味』『苦味』旨み』です。
この5つのうち、4つは簡単に説明ができる味ですね。
『甘味』→甘い
『塩味』→しょっぱい
『酸味』→すっぱい
『苦味』→苦い

それでは『旨み』は ? → 旨い・・?なんだか他の4つとは違いますね。

●旨み成分って?
代表的な旨み成分として、『グルタミン酸』 『イノシン酸』 『グアニル酸 があります。

 【グルタミン酸:アミノ酸系】
たんぱく質を構成するアミノ酸の中のひとつ。
昆布やチーズ、トマトに多く含まれています。
昆布で出汁をとる時は、表面の白い粉はふき取らないこと。「無料イラスト ...」の画像検索結果
白い粉は旨みの成分だからです。
昆布に切り込みを入れるのも忘れないでくださいね。
60℃くらいの温度で出汁をとるのが良いようです。
温度管理が難しいので、放っておくだけの簡単な方法を紹介します。
なべに水を入れて沸騰寸前で火を止めます。
そこに切れ込みを入れた昆布を沈ませ、蓋をしてしばらく置きます!
そして、出来上がり!

【イノシン酸核酸系「無料イラスト ...」の画像検索結果
魚や肉に多く含まれています。
かつおぶしイノシン酸を多く含む代表的な食品です。
サバにも多く含まれている旨み成分です。
かつおぶしで出汁をとるときは煮立たせないことが大切です。

 

「無料イラスト ...」の画像検索結果グアニル酸:核酸系
干し椎茸など、乾燥キノコに多く含まれます。
干し椎茸を戻すときは5℃程度の水温が良いとされています。
また、長時間戻したから良い訳ではありません。
5時間くらいが戻し時間の目安となります。

 

【その他の旨み成分】
「無料イラスト ...」の画像検索結果コハク酸:貝類
アスパラギン酸:かつおぶし等

 

 

●相乗効果って?「無料イラスト ...」の画像検索結果
旨み成分は単体よりも、組み合わせることで数段美味しくなります。
アミノ酸系のグルタミン酸核酸系イノシン酸グアニル酸
組み合わせると飛躍的に旨みが強くなります。
昆布  かつおぶし
昆布 + 干し椎茸
この組み合わせですね!
足し算で表しましたが、実際は掛け算くらいの効果となるんです。
グルタミン酸イノシン酸同じ濃さで合わせると一番旨みが引き出せると言われています。

●減塩効果
旨みが強ければ、塩分が少なくても美味しくいただけます。
そのため、実際に使用する調味料の量が少なくてすみ減塩効果が得られます。

●食欲を抑える効果
旨み成分は満腹感を感じやすく、食欲を抑えると言われています。

出汁をとるのは面倒!と感じる方は
市販の出汁パックを使うと簡単で美味しい出汁が作れます。
様々な種類があるので試して、これ!っていうものを探すのも楽しいと思います!

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我が家は、最近『これだ!』という出汁パックを見つけました!
そんなこともあり・・・、今回は旨みを題材にお話してみました。

「無料イラスト ...」の画像検索結果

 

花粉症

2017年 3月 10日 金曜日

三寒四温を実感する季節となりました。                                       気温の変化が大きいですが、皆さま体調は崩されていませんか?
暦のうえではすでに春!最近は、春らしい日も多くなりましたね。

さて、この時期、頭を悩ますのは花粉症です。
今回は花粉症のお話です。

◆花粉症を起こす植物

花粉症は、スギ花粉がよく知られています。                                     国内には、約60種類の植物が、花粉症を引き起こす言われています。                      花粉は、風によって運ばれます。                                         そして、地域によって種類や飛ぶ時期も様々です。

冬から春にかけてはスギやヒノキの花粉が飛散します。
関東地方では、スギは1月~6月と9月~12月、ヒノキは2月~6月が飛散時期です。
飛散のピークは、スギ:2月~4月、ヒノキ:3月~5月と言われています。
スギやヒノキは、大量の花粉が広範囲に飛び散ります。                              そのため、スギやヒノキが原因で花粉症になる方が多いようです。

花粉症は、花粉に含まれるたんぱく質が原因で起こります。
スギとヒノキの花粉には、たんぱく質の構造に多くの共通点があります。
そのため、スギ花粉に反応する人はヒノキ花粉にも反応することが多いんです

スギ              ヒノキ

夏から秋にかけてはイネやブタクサの花粉が飛散します。
関東地方では、イネは2月~12月、ブタクサは8月~12月が飛散時期です。
イネやブタクサは、丈が低いため花粉が遠くまで飛ぶことはありません。                   しかし、身近な所にたくさん生えているので、注意が必要です。

イネ               ブタクサ

 

 

 

 

以上、季節ごとの代表的な花粉と飛散時期を挙げてみましたが、                                    ほぼ1年中何かしらの花粉が飛散していることになります

 

◆花粉症のしくみ

私達の体には、異物が入るとそれを排除しようとする働きがあります。                    花粉が体内へ入ると、排除しようとして対抗する物質が作られます。
この物質は、許容範囲を超えると過剰反応を起こして鼻水や鼻づまり、                    目のかゆみ等のアレルギー症状を起こします。

◆簡単にできる対策 

花粉症の代表的な症状は目の痒みや充血、鼻水があります。                         これらの症状は、粘膜の炎症により起こります。

粘膜というと私たち管理栄養士がすぐ頭に浮かぶ栄養素があります。
ビオチンです。
ビオチンは、水に溶ける性質を持つ水溶性ビタミンです。                           ビタミンB1、B2などと同じビタミンB群に属しています。
ビオチンは、皮膚や粘膜を保護する働きがあることが知られています。
粘膜に炎症が起きているなら・・・ビオチンを摂取することが大切です!

では、ビオチンはどのような食品に多く含まれるのしょうか?

卵黄に多く含まれます。
さて、卵黄ですが・・・卵黄だけで食べることって少ないですよね?                        実は・・・卵白に含まれるアビジンはビオチンと結合し、                        腸からの吸収を阻害します。
これは、卵白が生の時に起こります。                                       少しでも加熱されたアビジンは、ビオチンと結合しなくなるため、                       吸収の阻害は起こりません。                                                       卵は、加熱調理をお勧めします

ビオチンは、鶏レバー豚レバー落花生アーモンドにも多く含まれます。
手軽に食べるのには、落花生やアーモンドがいいかもしれませんね。

粘膜を刺激するため、摂り過ぎに注意が必要なものもあります。
香辛料アルコールタバコなどです。
香辛料やアルコールそのものが花粉症を引き起こすものではありません。
しかし、粘膜を刺激して症状を悪化させる恐れがあります。                         摂り過ぎに注意しましょう

タバコの煙も鼻の粘膜を刺激します。                                      喫煙も症状を悪化させるんですね。                                        花粉症の時期は、本数を減らすのもいいかもしれませんね。

花粉症は、医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。
その他にも、花粉が目や鼻から侵入することを防ぐ対策が必要です。                     花粉の侵入を防ぐために、マスクやメガネの着用が有効です。
一番外側に着る衣類は、表面がすべすべした素材を選ぶ付着する花粉を減らせます。               外から戻る際は、玄関に入る前に花粉を払い落とすようにしましょう

まだまだ花粉症の時期は続きます。                                        花粉症でお悩みの方は、辛い症状で大変ですよね。
今回お話したことが、少しでもお役にたてれば嬉しいです。