食中毒

2017年 5月 24日 水曜日

一気に暑くなり、5月とは思えないような気温が続いています。                         このまま夏本番といきたいところですが、その前にジメジメした梅雨の季節がやってきます・・。    高温多湿の時期は、細菌の繁殖に適しているため、食べ物の衛生管理にも注意が必要です。

そこで、今回は食中毒についてお話したいと思います。  

腸炎ビブリオ

お刺身など生の魚介類によって起こります。                                 生の魚介類を調理した後に調理器具や手に菌が付いていると                二次汚染を起こすこともあります。                                         また、他の菌に比べて2倍以上の早さで増殖します。

≪潜伏期間≫ 8~24時間。                                           短いと、2~3時間で発症する場合もあります。

≪主な症状≫ 激しい腹痛、水様性の下痢、発熱、嘔吐が見られます。

≪対策≫ 60℃、10分の加熱でほとんどの菌は死滅します。                         塩分が存在する環境を好むため、魚介類は新鮮なものでも調理前に流水でしっかり洗って             菌を洗い流すのが有効です。                                            菌の増殖を抑えるために短時間でも冷蔵庫で保管することも大切です。                    魚介類専用のまな板を使用し、洗剤でよく洗い熱湯やキッチン用の漂白剤で消毒して                 二次感染を防ぎましょう

ウエルシュ菌

カレーやシチュー、煮物など食肉類、魚介類、野菜が              含まれた加熱食品によって起こります。                      室温での一晩放置加熱後の長時間(2時間以上)放置、              不十分な再加熱が原因となります。

酸素がない所を好んで増殖します。                                        ところで、一般的な菌は熱に弱いので加熱が有効ですが、                          残念ながらウエルシュ菌は熱に強い特性です。                                             どのようにして加熱に耐えるかというと・・                          居心地が悪い環境になると、菌は自身を殻で覆い、                              「芽胞」と呼ばれる形に変化して生き残るんです。                     なんと100℃、1時間の加熱でも死滅しません。                           加熱に耐えて生き残った菌は、食品の温度が45℃程度まで下がると                      芽胞から元の菌体に戻って再び増殖します。                                              そして、菌が付着した食品を食べると腸内で『エンテロトキシン』という                    毒素が生産されて下痢などの症状を引き起こします。

煮込み料理は一晩寝かせたほうが美味しいと言われますが、                            実は食中毒になる可能性が高いのです。

≪潜伏期間≫ 6~18時間(平均10時間)

≪主な症状≫ 主な症状は下痢、腹痛。嘔吐や発熱はないことが多いです。

≪対策≫   なるべく調理後はすぐに食べるようにしましょう。                      常温での放置は、避けるのが先決です。                                      冷却は、粗熱をとり速やかに冷やすようにしましょう。(10℃以下が理想です)
一度、芽胞を作ってしまうと加熱しても死滅しません。                             よくかき混ぜて鍋底にも空気を入れて加熱しましょう。                            再加熱の時もよくかき混ぜて十分に沸騰させましょう。                             保存は、小分けにすると早く冷やせて空気に触れる表面積が広くなるため、              増殖を防ぐことができます。

腸管出血性大腸菌

生や加熱不足の肉、生野菜などによって起こります。                            実は、大腸菌のほとんどは無害ですが、中には激しい下痢を起こす         病原性大腸菌と呼ばれるものがあります。

その中で、腸管でベロ毒素という出血性下痢を起こす                      毒素を作るものが「腸管出血性大腸菌」です。                                                  一度は聞いたことがある人も多いO-157が代表的です。                                他の菌に比べて感染力や毒性が非常に強いことが特徴です。                          重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こし、腎臓や脳に大きな障害が出ることもあります。

≪潜伏期間≫ 2~8日と長いです。

≪主な症状≫ 初めは、風邪のような症状ですが、その後、強い腹痛や下痢、血便が起こります。        熱が出ることは少ないです。

≪対策≫ 熱に弱く75℃、1分以上の加熱で菌は死滅します。                               ハンバーグなどは、中までしっかり火を通しましょう。                             調理の時は、食肉類が他の食品に触れないよう調理器具や保存容器を分けることも有効です。

以上、3種類の菌についてお伝えしました。

食中毒は、実際に家庭でも発生しています。

食中毒予防の3原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」です。

3つの方法で実践できます。                                                 ・付けない手洗いや調理器具の洗浄を十分に行う                                 ・増やさない低温(10℃以下)で保存する                                     ・やっつける加熱する(75℃、1分以上)

それから、見落としがちなのがふきんスポンジです。                           菌が増殖しやすいので使用したらすぐに洗剤と流水で洗ってよく乾燥させましょう。                      台所用漂白剤に一晩漬け込むとさらに効果的です。                                   これからの時期、食中毒にならないよう家庭での調理にも気を付けて過ごしていきたいですね。

 

 

 

 

2017年 4月 26日 水曜日

まだ4月だというのに、
先日、東京では4日連続の夏日となりました。

暑くなるとビールを飲みたくなりますよね。
気温が上がれば上がるほど、
ビールの売り上げは伸びるようです。
今年の夏も全国的に厳しい暑さになるという
予報が出ています。
私のビール消費量も増えそうな予感がしています・・・

さて、今回はアルコールと水の関係です。

お酒を飲むと、トイレが近くなりませんか?
これはアルコールの利尿作用によるものです。
アルコールは抗利尿ホルモン(ADH、バソプレッシン)の分泌を抑制します。

抗利尿ホルモンとは、脳下垂体後葉から分泌されるホルモンです。
名前のとおり、利尿を妨げます。
抗利尿ホルモンが分泌されると、腎臓での水の再吸収を促進することで、
体内に水分を溜め込みます。
飲酒によりこのホルモンが分泌されなくなると、トイレが近くなります。

次にアルコールの排泄です。
アルコールはアセトアルデヒドを経て、酢酸に代謝されます。
ただし、摂取したアルコール全てが
酢酸に代謝される訳ではありません。

飲酒者の尿中アルコール、アセトアルデヒド濃度は、
健常者よりも高いというデータがあり、
一部はアルコール、もしくは、アルデヒドのまま
尿中へ排泄されていることがわかります。

お酒を飲むとトイレが近くなりますが、
その方が、尿としてアルコールを排泄できるんです。
しかし、水分を十分に補給しなければ脱水が進行します。

それでは、脱水になっている場合にはどうなるのでしょうか?
身体の水分が不足すると、腎臓で水分の再吸収が行われ、尿量が少なくなります。
そうすると、尿中に排泄されるアルコールの量も少なくなります。
つまり、水分を十分に摂取した方が、アルコールやアルデヒドの排泄も促進できるんです。

.
.  脱水予防のためにも、
.  アルコールの排泄を促進するためにも、
.  お酒を飲む時には、水も一緒に飲むことが大切!
.  目安はお酒と同じ量の水分です!

旨み

2017年 3月 27日 月曜日

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桜の咲く季節となりました。
この春、進学される方や新社会人になる方は、 希望に胸を膨らませていると思います。
キラキラを輝いている様子は見ている私たちも、 心が洗われるような
清清しい気持ち
になりますね。

さて、今回はどんな話題にしようかと迷いましたが・・・、『旨み成分のお話し』をしようと思います。

人には『五感』と呼ばれる感覚機能があります。
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「視覚聴覚」触覚嗅覚」味覚です。『味』に関する認識は「味覚」が担っています。

●味覚って?
基本として5つの味があげられます。『甘味』『塩味』『酸味』『苦味』旨み』です。
この5つのうち、4つは簡単に説明ができる味ですね。
『甘味』→甘い
『塩味』→しょっぱい
『酸味』→すっぱい
『苦味』→苦い

それでは『旨み』は ? → 旨い・・?なんだか他の4つとは違いますね。

●旨み成分って?
代表的な旨み成分として、『グルタミン酸』 『イノシン酸』 『グアニル酸 があります。

 【グルタミン酸:アミノ酸系】
たんぱく質を構成するアミノ酸の中のひとつ。
昆布やチーズ、トマトに多く含まれています。
昆布で出汁をとる時は、表面の白い粉はふき取らないこと。「無料イラスト ...」の画像検索結果
白い粉は旨みの成分だからです。
昆布に切り込みを入れるのも忘れないでくださいね。
60℃くらいの温度で出汁をとるのが良いようです。
温度管理が難しいので、放っておくだけの簡単な方法を紹介します。
なべに水を入れて沸騰寸前で火を止めます。
そこに切れ込みを入れた昆布を沈ませ、蓋をしてしばらく置きます!
そして、出来上がり!

【イノシン酸核酸系「無料イラスト ...」の画像検索結果
魚や肉に多く含まれています。
かつおぶしイノシン酸を多く含む代表的な食品です。
サバにも多く含まれている旨み成分です。
かつおぶしで出汁をとるときは煮立たせないことが大切です。

 

「無料イラスト ...」の画像検索結果グアニル酸:核酸系
干し椎茸など、乾燥キノコに多く含まれます。
干し椎茸を戻すときは5℃程度の水温が良いとされています。
また、長時間戻したから良い訳ではありません。
5時間くらいが戻し時間の目安となります。

 

【その他の旨み成分】
「無料イラスト ...」の画像検索結果コハク酸:貝類
アスパラギン酸:かつおぶし等

 

 

●相乗効果って?「無料イラスト ...」の画像検索結果
旨み成分は単体よりも、組み合わせることで数段美味しくなります。
アミノ酸系のグルタミン酸核酸系イノシン酸グアニル酸
組み合わせると飛躍的に旨みが強くなります。
昆布  かつおぶし
昆布 + 干し椎茸
この組み合わせですね!
足し算で表しましたが、実際は掛け算くらいの効果となるんです。
グルタミン酸イノシン酸同じ濃さで合わせると一番旨みが引き出せると言われています。

●減塩効果
旨みが強ければ、塩分が少なくても美味しくいただけます。
そのため、実際に使用する調味料の量が少なくてすみ減塩効果が得られます。

●食欲を抑える効果
旨み成分は満腹感を感じやすく、食欲を抑えると言われています。

出汁をとるのは面倒!と感じる方は
市販の出汁パックを使うと簡単で美味しい出汁が作れます。
様々な種類があるので試して、これ!っていうものを探すのも楽しいと思います!

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我が家は、最近『これだ!』という出汁パックを見つけました!
そんなこともあり・・・、今回は旨みを題材にお話してみました。

「無料イラスト ...」の画像検索結果