熱中症

2017年 7月 26日 水曜日

週、関東では梅雨明けを迎えました。
梅雨が明けると、暑さも一気に増す気がしますね。
この時期に注意が必要なのが熱中症です。
熱中症の発症時期は、
7月中旬~8月上旬にピークを迎えます。

今年5月~7月中旬に全国で熱中症により
救急搬送されたのは19,914人です。
昨年同時期の16,509人を大幅に上回っています。

熱中症というと、炎天下で起こるとイメージをする方も多いと思いますが、
いちばん多い発生場所は家の中なんです。
救急搬送された方の1/3以上が家の中で熱中症になっています。

そして全体の半数が高齢者です。
高齢者は年齢とともに体内水分量や体温の調節機能、
熱に対する感受性が低下するため、熱中症にもなりやすくなります。
近年、炎天下での熱中症は減少傾向ですが、
高齢者の日常生活における熱中症は増加傾向にあります。

熱中症は、体内での熱の産出と熱の放散バランスが崩れて、
体温が著しく上昇した状態です。
脱水状態を伴っていることがほとんどです。
暑い中にいる時、もしくは、いた後の体調不良は、熱中症の可能性があります。

熱中症は重症度によってⅠ度~Ⅲ度に分かれています。

Ⅰ度:めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、こむら返り
Ⅱ度:頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
Ⅲ度:意識障害、痙攣発作、肝・腎機能障害、高体温

それでは、熱中症にならないためには、どうすればいいでしょうか?
暑さ対策としては、
  ■エアコンや扇風機を活用する。
  ■炎天下での外出時は、帽子や日傘を利用する。
  ■保冷剤や冷たいタオルで体を冷やす。
などがあります。

そして、何より大切なことは水分、塩分補給です。
水だけを補給すると、体液が薄まります。
体液の濃度を保つために利尿が起こり、脱水が進行します。
また、水だけを多量に補給すると血中のナトリウム濃度が低くなり水中毒となります。
水中毒では、死に至ることもあります。
熱中症対策には、水だけでなくて塩分も必要です。

水分補給には、食塩濃度が0.1~0.2%程度のスポーツドリンクや経口補水液がお勧めです。
熱中症になりやすい状況の場合には、20~30分ごとにカップ1~2杯を目安に摂取しましょう。

暑いと食欲も無くなりますが、食事量が少なくなると、食事からの塩分摂取量が減ってしまいます。
熱中症対策には、しっかり食事を摂ることも大切です。

暑さ対策と十分な水分、塩分補給で熱中症を防ぎましょう。

『~期限』って?

2017年 6月 26日 月曜日

紫陽花の花が鮮やかな季節となりました。

「無料イラスト紫...」の画像検索結果
雨が少ない梅雨だと言われていますが、
湿度が高くてじめじめとした鬱陶しさに
変わりはないですね・・・。「無料イラスト ...」の画像検索結果

梅雨の時期は湿度が高いため、食品にも気を使いませんか?
賞味期限消費期限が切れてる!と冷蔵庫の中の食品を見て、
驚愕することがよくあります。
(我が家では・・・、季節に関係なくなんですけどね・・・)

今回は、賞味期限消費期限使用期限のお話しです。
共通する言葉は『期限』ですが、どのような違いがあるのでしょう?

●賞味期限
日持ちのする食品に設定されている期限です。
容器や袋、キャップを開封せずに指定された保存方法を守った場合に
『品質が変わらず、おいしく食べることができる期限』です。
缶詰やスナック菓子、ペットボトルの飲料などに記載がされています。

「無料イラストス...」の画像検索結果

●消費期限「無料イラスト弁...」の画像検索結果
いたみやすい食品に設定されている期間です。
容器や袋を開封せず、指定された保存方法を守った場合に
『安全に食べられる期限』です。
お弁当や生ものや生菓子などに記載があります。

○使用期限
食品には使用されません。
薬剤や化粧品などに設定されている期間です。
一定範囲の温度で保管し、未開封の場合で使用できる期間です。
3年程度が一般的です。

「無料イラスト薬」の画像検索結果 「無料イラスト化...」の画像検索結果

賞味期限消費期限使用期限はなじみのある言葉ですね。
よく・・・
『賞味期限は切れているけど、消費期限はいつ?』
『賞味期限や消費期限は切れているけど、使用期限はいつ?』
耳にします。
それぞれの期限の意味を理解すると、違和感を感じますよね?

我が家の冷蔵庫内の食品の賞味期限や消費期限で驚愕したところから
話しを膨らませてみました。

食中毒

2017年 5月 24日 水曜日

一気に暑くなり、5月とは思えないような気温が続いています。                         このまま夏本番といきたいところですが、その前にジメジメした梅雨の季節がやってきます・・。    高温多湿の時期は、細菌の繁殖に適しているため、食べ物の衛生管理にも注意が必要です。

そこで、今回は食中毒についてお話したいと思います。  

腸炎ビブリオ

お刺身など生の魚介類によって起こります。                                 生の魚介類を調理した後に調理器具や手に菌が付いていると                二次汚染を起こすこともあります。                                         また、他の菌に比べて2倍以上の早さで増殖します。

≪潜伏期間≫ 8~24時間。                                           短いと、2~3時間で発症する場合もあります。

≪主な症状≫ 激しい腹痛、水様性の下痢、発熱、嘔吐が見られます。

≪対策≫ 60℃、10分の加熱でほとんどの菌は死滅します。                         塩分が存在する環境を好むため、魚介類は新鮮なものでも調理前に流水でしっかり洗って             菌を洗い流すのが有効です。                                            菌の増殖を抑えるために短時間でも冷蔵庫で保管することも大切です。                    魚介類専用のまな板を使用し、洗剤でよく洗い熱湯やキッチン用の漂白剤で消毒して                 二次感染を防ぎましょう

ウエルシュ菌

カレーやシチュー、煮物など食肉類、魚介類、野菜が              含まれた加熱食品によって起こります。                      室温での一晩放置加熱後の長時間(2時間以上)放置、              不十分な再加熱が原因となります。

酸素がない所を好んで増殖します。                                        ところで、一般的な菌は熱に弱いので加熱が有効ですが、                          残念ながらウエルシュ菌は熱に強い特性です。                                             どのようにして加熱に耐えるかというと・・                          居心地が悪い環境になると、菌は自身を殻で覆い、                              「芽胞」と呼ばれる形に変化して生き残るんです。                     なんと100℃、1時間の加熱でも死滅しません。                           加熱に耐えて生き残った菌は、食品の温度が45℃程度まで下がると                      芽胞から元の菌体に戻って再び増殖します。                                              そして、菌が付着した食品を食べると腸内で『エンテロトキシン』という                    毒素が生産されて下痢などの症状を引き起こします。

煮込み料理は一晩寝かせたほうが美味しいと言われますが、                            実は食中毒になる可能性が高いのです。

≪潜伏期間≫ 6~18時間(平均10時間)

≪主な症状≫ 主な症状は下痢、腹痛。嘔吐や発熱はないことが多いです。

≪対策≫   なるべく調理後はすぐに食べるようにしましょう。                      常温での放置は、避けるのが先決です。                                      冷却は、粗熱をとり速やかに冷やすようにしましょう。(10℃以下が理想です)
一度、芽胞を作ってしまうと加熱しても死滅しません。                             よくかき混ぜて鍋底にも空気を入れて加熱しましょう。                            再加熱の時もよくかき混ぜて十分に沸騰させましょう。                             保存は、小分けにすると早く冷やせて空気に触れる表面積が広くなるため、              増殖を防ぐことができます。

腸管出血性大腸菌

生や加熱不足の肉、生野菜などによって起こります。                            実は、大腸菌のほとんどは無害ですが、中には激しい下痢を起こす         病原性大腸菌と呼ばれるものがあります。

その中で、腸管でベロ毒素という出血性下痢を起こす                      毒素を作るものが「腸管出血性大腸菌」です。                                                  一度は聞いたことがある人も多いO-157が代表的です。                                他の菌に比べて感染力や毒性が非常に強いことが特徴です。                          重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こし、腎臓や脳に大きな障害が出ることもあります。

≪潜伏期間≫ 2~8日と長いです。

≪主な症状≫ 初めは、風邪のような症状ですが、その後、強い腹痛や下痢、血便が起こります。        熱が出ることは少ないです。

≪対策≫ 熱に弱く75℃、1分以上の加熱で菌は死滅します。                               ハンバーグなどは、中までしっかり火を通しましょう。                             調理の時は、食肉類が他の食品に触れないよう調理器具や保存容器を分けることも有効です。

以上、3種類の菌についてお伝えしました。

食中毒は、実際に家庭でも発生しています。

食中毒予防の3原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」です。

3つの方法で実践できます。                                                 ・付けない手洗いや調理器具の洗浄を十分に行う                                 ・増やさない低温(10℃以下)で保存する                                     ・やっつける加熱する(75℃、1分以上)

それから、見落としがちなのがふきんスポンジです。                           菌が増殖しやすいので使用したらすぐに洗剤と流水で洗ってよく乾燥させましょう。                      台所用漂白剤に一晩漬け込むとさらに効果的です。                                   これからの時期、食中毒にならないよう家庭での調理にも気を付けて過ごしていきたいですね。