走るための食事

2015年 12月 18日 金曜日

今年もあとわずかになりました。朝の冷え込みも強くなり、早起きがつらい季節ですね・・ショック デコメ絵文字

寒いと体を動かすのも億劫になりがちですが、この時期各地でマラソン大会が開催されているのをご存知ですか?私自身は、運動は苦手で走ろうとは思わないのですが、家族が趣味で走るので応援に行く機会があります。市民ランナーも年々増加していて、抽選になる大会も増えているようです。フルマラソンを完走するには早くても2時間、一般ランナーの場合は6時間以上かかることもあります。その間、ずっと体を動かし続けなければいけません。

さて、ここで問題です。フルマラソンを完走した場合のエネルギー消費量はどのくらいだと思いますか?? デコメ絵文字 実は、2000~3000kcalのエネルギーを消費するといわれています。この量は、成人が1日に必要とするエネルギー量に匹敵しますびっくり デコメ絵文字これだけ多いエネルギー量を数時間で消費することを考えるとマラソンがいかにエネルギーを消費するスポーツかご理解いただけたでしょうか。

マラソンを完走するために食事が大切です食事 デコメ絵文字

エネルギー源になる栄養素は、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質です。なかでも糖質はエネルギー源の主役となり、体内に「グリコーゲン」として筋肉や肝臓に蓄えられています。

普段の食事は、主食、主菜、副菜が揃ったバランスのよい食事をお勧めします。主食はごはんやパンなど糖質の供給源、主菜は肉や魚などたんぱく質の供給源、副菜は野菜や海藻類などビタミンミネラルの補給源になります。もちろん自炊が難しくても、外食やコンビニでも選択次第でバランスのよい食事ができます。普段は、この食事形態が基本ですがそれだけではエネルギー不足に陥ってしまうことがあるんです。

ところで、「35kmの壁」って聞いたことありますか?黄色いひつじ(♪) デコメ絵文字

スタートしてから快調な走りができていたのに、ある時を境に足が重くなりガクッとペースダウンしてしまうことを言います。この現象のほとんどが30km過ぎに起こり、多くが35km付近に集中することからそう言われるようになりました。この現象は、体内のグリコーゲンーが枯渇してしまうからなんです。要するに、「ガス欠」です。実は、体内に蓄えられているグリコーゲンのエネルギー量は、筋肉と肝臓あわせても約1800kcal程度です。1回フルマラソンを走ると2000kcal以上のエネルギーが必要なので体内の糖質エネルギー量だけでは足りません。そこで、あらかじめ体内にグリコーゲンを溜め込み途中で枯渇しないようにする必要があるんです。

そこで、最近は「グリコーゲンローディング」という食事法を取り入れることが多くなりました。簡単に言うと、糖質を含む食品を多くとり、体内に貯めておける上限までグリコーゲンを貯蔵する方法です。ただし、糖質の多い食品だけを食べればいいわけではありません。「1日の総摂取エネルギー量の70%以上を糖質で摂るようにし、糖質で増えた分のエネルギー量を脂質やたんぱく質の割合を減らして調整する」ものです。

この「グリコーゲンローディング」、大会3日前から始めるのがベストです。糖質は、主食となるご飯やパン、麺類以外にもジャガイモなどの根菜類や果物からも摂れるので、主食だけに偏らずバランスよく食べましょう。ただし、必要以上に食べ過ぎてしまいカロリーオーバーにならないように気をつけてくださいね。主食がメインになるため、おかずは少なめにすること、体のコンディションを整えるために果物を多めに摂ることがポイントです。

これから大会を控えている方、走ってみようと思っている方、ぜひ食事のことも意識してベストタイム目指してがんばってください!応援 デコメ絵文字応援 デコメ絵文字

『日本人の食事摂取基準(2015年版)』 ~その2(重症化予防)~

2015年 11月 5日 木曜日

すっかり日が短くなり、秋も深まってきましたね。
そろそろ紅葉も見ごろを迎える頃でしょうか

前回に引き続き、日本人の食事摂取基準
(2015年版)の話題ですが、 今月は、
「重症化予防」についてお話したいと思います。

2015年版では、策定目的である
生活習慣病の発症予防に加えて、
新たに「重症化予防」が追加されました
   

今まで、日本人の食事摂取基準は、主に健康な人を対象とした基準でした。
しかし、今回の改定では、
「高血圧、脂質異常、高血糖、腎機能低下に関して保健指導レベルにある者までを含む」
とされています。
すなわち、軽度の疾患(生活習慣病)を有する人も対象となったということです

食事摂取基準では、いくつかの栄養素に「目標量」が設定されています。
「目標量」とは、生活習慣病の予防を目的として設定される値です。

例えば、成人女性の食塩の目標量は、7.0g/日未満です。
食塩の場合には、高血圧予防、胃がん予防の観点から、目標量が設定されています。

2010年版の目標量は、発症予防(病気にならないこと)に限定されていましたが、
2015年版では、重症化予防(病気を悪化させないこと)も含まれるようになっています。

日本人の食事摂取基準は、厚生労働省のホームページより、
全文をダウンロードすることができます
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html

2015年版では、参考資料として、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連
掲載されています

高血圧
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042644.pdf
脂質異常症
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067136.pdf
糖尿病
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067137.pdf
慢性腎臓病
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042647.pdf

疾患ごとに、摂取が推奨される栄養素、控えた方がよい栄養素が提示されており、
その根拠も書かれています。

ご興味のある方は、ぜひご覧ください



『2015年 日本人の食事摂取基準』  ~その1(BMI)~

2015年 10月 2日 金曜日

暑さ寒さも彼岸まで・・・とあるように、最近では少しずつではありますが

クリックすると新しいウィンドウで開きます 秋の気配を感じるようになりました。

皆さま、元気にお過ごしでしょうか?                                                                                                       といえば・・・、読書の秋!スポーツの秋!そして食欲の秋!などの表現がよくされます。

食欲の秋!!

様々な食べ物が旬を迎えること、気温が落ち着くことで食欲が増進することが                                                                                          この言葉の表現の意味なのかな?と思っています。                                                                                                おいしい物がたくさん出回ることで、食事も楽しくてたくさん食べると・・・。                                                                                       体重が増加することも考えられますね・・・。

 

体重管理の指標としてBMIがあるることはご存知の方も多いと思います。                                                                                                    さて、今回はBMIのお話です。

BMI身長と体重から計算することが出来ます。                                                                                                                                      BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) で求められます。

たとえば、身長160cm体重が60kgの場合                                                                                                                         60(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)=23.4 BMIは23.4になります。                                                                                                                       この数字で体重管理を行います。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが・・・                                                                                                                    BMI22が最も健康的な体重とされています。                                                                                                               今まではどの年齢の方でも18.5~25.0未満が適正体重となっていました。

あれ?じゃあ、今は違うの?と思いますよね!そうです!!違うんです。

『2015年 日本人の食事摂取基準』では、                                                                                                               あらたにBMIに年齢別で幅を持たせています。

クリックすると新しいウィンドウで開きます

新しいBMIの範囲をお知らせします。

18歳~49歳 : 18.5~25.0未満

50歳~69歳 : 20.0~25.0未満

70歳以上   :    21.5~25.0未満

上限は変わりませんが、下限が年齢により異なります

BMIを計算し、ご家族の体重管理をしてみてはいかがでしょうか?                                                                                                                 食事をおいしく食べ、程いい運動(ウォーキングがお勧めです)をし、                                                                                                               BMIを計算し体重管理をしてくださいね!

 

※日本人の食事摂取基準って?

厚生労働省が主に、管理栄養士や栄養士などの医療従事者向けに発表しているガイドラインで、5年ごとに改定されています。

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