土用の丑の日

2016年 7月 28日 木曜日

やっと関東地方でも梅雨明けをしましたね。これから、ますます暑い日が続きそうですね。

みなさん、体調など崩されていませんか?

夏のスタミナ食として「うなぎ」を連想する方もいるのではないでしょうか。

今回は、「うなぎ」についてのお話です。

この時期、うなぎ聞くと、土用の丑の日を連想する方も多いのではないでしょうか。

ちなみに、今年の土用の丑の日は、7月30日です。

◆土用の丑の日 

土用と聞くと、夏のイメージですが、実は1年を通してあるんです。

土用とは、立春、立夏、立秋、立冬前の約18日間のことを指します。

7月20日から8月7日頃までが、夏の土用の期間になります。

なぜ丑の日というのでしょうか?

十二支というのをご存知でしょうか?子丑寅卯・・・と続くものです。

丑の日とは、十二支の中の『丑』のことです。

つまり、土用の期間のうち丑の日に当てはまる日が、『土用の丑の日』ということになります。

うなぎの栄養 うなぎ

うなぎと聞くと、栄養豊富なイメージを持つ方も多いと思います。

具体的には、どのような栄養素が豊富なのでしょうか?

うなぎには、ビタミンAビタミンB1ビタミンDビタミンEが豊富に含まれています。そのほか、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など体に不可欠な栄養素が多く含まれています。また、脂質の中でもEPADHAが豊富に含まれています。

各栄養素の働きを簡単に説明すると、

ビタミンA(レチノール)は、皮膚や粘膜を正常に保ち、免疫力を高める働きがあります。

レチノールは、妊娠中も必要な栄養素ですが、妊娠初期の妊婦さんは注意が必要です。

体外に排出されにくい特性があるため、摂取量に注意が必要です。妊娠初期の妊婦さんが、レチノールを過剰摂取すると胎児が奇形・先天異常などの障害を持った状態で生まれてくる可能性が高まるといわれています。

毎日、大量に食べなければ問題ないのですが、妊娠初期の方には注意が必要なことを踏まえてください。

ビタミンB1は、生きる上で必要不可欠なエネルギーを作る働きと、神経機能や脳を正常に保つ働きがあります。

ビタミンDは、小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、血液中のカルシウム濃度を保って丈夫な骨をつくる働きがあります。

ビタミンEは、からだの酸化を防ぐ「抗酸化作用」があります。動脈硬化などの生活習慣病を予防することが期待されています。

DHAEPAは、体内では作ることのできない脂肪酸です。

DHAは脳の働きを活発にし、EPAは血管を丈夫にすると言われています。

◆うなぎの蒲焼 

うなぎの蒲焼は、関東風と関西風で違いがあります。

関東風と関西風の蒲焼は「さばき方」と「焼き方」が異なります

関東では、うなぎを背開きにして白焼きした後、蒸して再び焼くため、ふわっと柔らかいのが特徴です。タレは関西に比べてあっさりしています。蒲焼

 

関西では、小ぶりのうなぎを選んで腹から開いて蒸さずに焼くため、脂の乗ったパリッとした香ばしさを楽しめます。タレは、うなぎの脂に負けないようにトロッと濃くて甘いです。また、関西風は頭が付いていることが多いのも特徴です。蒲焼関西風

◆開き方が異なる理由背開き腹開き

≪背開き≫

関東では、武士などの文化が強いため、腹を切るということは「切腹」を意味してしまい、縁起が悪いとされてきました。その為、背開きをするようになりました。また、うなぎの腹の部分には美味しさの脂が乗っているのでそれを逃さない調理法でもあります。

≪腹開き≫

関西方面では、商業や商人の文化が強く、お互い腹を割って話をするという事から腹開きがされるようになったという説があります。

 

今年の夏は、例年よりも暑くなる予報が出ています。

水分補給も忘れずに、スタミナをつけて暑い夏を乗りきりましょう!

からだの水

2016年 6月 23日 木曜日

梅雨空が続いていますね。
6月に入り、雨の日が多い気がしますが、
今年の雨量は平年よりも少ないようですね。
関東ではダムの貯水率が低下していて、
一部の地域では取水制限が行われています。

炊事、洗濯、入浴、トイレ等、私たちの生活に、水はとても大切です。
そして、私たちの身体の中でも、水は重要な役割を果たしているのです。

水のはたらき
体内における水の役割は主に3つ。

・栄養素、酸素を全身に運ぶ
・発汗により、体温を調節する
・尿として老廃物を排泄する

身体の水分が不足すると、脱水状態になります。
これから暑くなると、発汗量が増えて身体の水分が失われます。
また、暑さで食事量が少なくなると、脱水の危険性はいっそう高まります。
一般的な3食の食事に含まれる水分は約1Lです。
食事をしっかり摂ることも、脱水予防には欠かせません。

体内水分量
身体の中の水分量はどの位かご存知でしょうか。

一般成人男性の体内水分量は体重の約60%です。
体重60kgの場合、約36kg(36L)が水分です。
それに対して女性は体重の約55%です。
なぜ、女性の方が少ないのでしょうか。

身体の中の水分というと、血液を思い浮かべる人も多いと思いますが、
血液中に含まれる水分は、3L程度です。
最も水分が多く存在するのは細胞の中で、特に筋肉の細胞内に多く含まれています。
そのため、男性に比べて筋肉量の少ない女性は、水分の割合が少なくなります。
また、年齢を重ね、筋肉量が減少すると、体内の水分量も減少していきます。

体重に対して、3%以上の水分が減少すると、脱水症診断されます。
体重60kgの場合には、1.8L以上の水分が失われた状態です。
短時間で急激に体重が減少した場合には、脱水が疑われます。

お風呂やサウナに入った後、「体重が1kgも減った!」と喜んだことはありませんでしょうか。
老廃物が出て痩せたと勘違いしている人も多いですが、
痩せたわけではなく、水分が失われて脱水状態になっているのです。
水分補給を行えば、体重はすぐ元に戻ります。

汗の量と成分
炎天下で運動をした場合に汗として失われる水分量は、1時間で1L以上になります。
個人差もありますが、時間が長くなれば、さらに多くの水分が失われます。
そして、汗にはナトリウム(塩分)も含まれます。

通常、汗が皮膚表面に分泌される際、一部のナトリウムは再吸収されています。
しかし、汗の量が多くなるとナトリウムの再吸収が追いつかなくなります。
つまり、汗の量が多いほど、汗中のナトリウム濃度は高くなるのです。
汗をかいたら水分、塩分補給が必須ですが、汗の量が多ければ多いほど、
より多くの塩分を補給しなければいけなくなります。

発汗により失われた水分、塩分の補給が間に合っていない場合には、
脱水が進行し重症化するリスクが高くなります。
十分な水分、塩分補給を行い、これからの夏を乗り切りましょう!

食中毒

2016年 5月 30日 月曜日

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
5月は気温が高い日も多く、真夏日を観測した地域もありましたね。
また、もうすぐ6月です。6月といえば梅雨ですね・・・。
ジメジメと鬱陶しい季節がやってきます。

突然ですが・・・
私は以前、集団給食の仕事に従事していました。
この時期は食中毒を発生させないために、いつも以上に衛生管理に気をつけていました。
5月から10月は食中毒に対して注意が必要な時期です。食中毒の発生件数がこの期間は多いためです。バイキン キャラ 1

さて、今回は食中毒のお話です。
3種の菌の特徴や潜伏期間、主な症状、発生させないための対策を
まとめてみました。

≪サルモネラ属菌≫
●生や加熱不足のお肉によって起こります。
また、生卵や卵の調理で加熱不足の場合にも起こる可能性があります。

卵おにく
潜伏期間は 12~24時間(平均18時間)
主な症状
・38~40℃の発熱
・下痢
・嘔吐
・腹痛
2~3日で回復しますが、症状がなくなった後でも排菌(保菌している人が 菌を体外に出している)があるため注意が必要です。
★対策
75℃で1分以上加熱をすることで菌はほとんど死滅します。
卵は賞味期限内であれば、生食してもほとんど食中毒は起きないと
されています。
卵を割ったり、白身と黄身を混ぜ合わせたら、なるべく早く使いましょう!
卵は冷蔵庫に保管することも大切です。

≪カンピロバクター≫
サルモネラ属菌と同じく、生のお肉や加熱不足のお肉によって起こります。
特に鶏肉による食中毒の報告が多くあります。

にわとり
潜伏期間は 1日~7日と長いことが特徴です。
主な症状
・腹痛
・激しい下痢や嘔吐高熱
・発熱
・倦怠感
初期症状は風邪と間違われることも多い。
菌が少なくても、食中毒を引き起こすことが特徴のひとつ。
★対策
75℃で1分以上加熱をすることで菌はほとんど死滅します。
生肉を触った箸で調理済みの肉を取ると焼いた肉に菌がついてしまいます。

菜箸 

調理前の肉と調理後の肉を同じ箸で使用しないこと大切です。

 

≪黄色ブドウ球菌≫
●穀類やその加工品で起こることが多い食中毒。
発生件数の4割は『おにぎり』が原因。おにぎり
手や指に切り傷や化膿巣がある人が食品に触ったり、調理することが
発生の原因となります。
●潜伏期間は 30分から6時間(平均3時間)
●主な症状
・吐き気
・嘔吐
・腹痛
発熱はないことが多いようです
★対策
黄色ブドウ球菌自体は、75℃で1分の加熱で死滅します。
ただし、安心はできません。

かび01

食品の中で増殖する際に、毒素のエンテロトキシンを産生します。
エンテロトキシンは、100℃で30分加熱しても分解されません。
食品を黄色ブドウ球菌に汚染させないことが、もっとも有効な対策です。
手に傷や痒みなどがある場合は、食品に触ったり調理を控えましょう!
手指の洗浄・殺菌を十分に行いましょう!    

手洗い

以上、紹介した以外にも様々な食中毒があります。
腸管出血性大腸菌、ウェルシュ菌、腸炎ビブリオ・・・・・。
今回は一部の食中毒でしたが、今後も機会を見つけてお話をいたします。