年越しそば

2020年 12月 22日 火曜日

今年もあと少しとなりましたね。大晦日の夜に年越しそばを食べる方も多いのではないでしょうか?

年越しそばを食べる風習は昔から伝わる日本の伝統行事で、地方によっては「大年そば」「年取りそば」「福そば」とも呼ばれます。今回は年越しそばの由来や栄養についてご紹介します。

 

年越しそばの歴史

諸説ありますが、鎌倉時代に博多のお寺で年を越せないほど貧しい人々に、「そば餅」というそば粉で作った餅を振舞いました。すると翌年から、そば餅を食べた人々の運気が上がり、そば餅を食べれば良いことがあるという噂が広まりました。それから毎年食べられるようになり、それが現在でいう年越しそばとなったそうです。現在の麺の形状になり定着したのは江戸時代といわれています。

 

年越しそばに込められた意味

年越しそばには1年の頑張りを労りつつ、新年を良いものにしたいという願いがこめられています。

長寿

そばは細く長いので、長生きできるように長寿を願います。

縁切り

そばは切れやすいため、今年の苦労や災厄を切って、新しい年を迎えられるようにとの意味が込められています。

金運

昔の金銀細工師が散らかった金銀を集めるのにそば粉を使っていたため、「金を集める」から金運が上がるといわれます。

健康

そばは風雨に強く日光を浴びると元気になる植物なので、健康の縁起を担ぐ意味が込められています。

 

そばの栄養

そばはタデ科の1年生草木の実で、日本でそばの栽培が始まったのは縄文時代ともいわれています。秋に収穫したそばの実から作られ、11月から12月に出回るものを「新そば」と言います。そばに含まれる栄養素として特徴的なのは、ルチンとコリンです。

ルチン
ポリフェノールの一種で、毛細血管の壁を強くする作用があり高血圧を予防します。またビタミンCの吸収を促進する効果もあります。ルチンは水溶性のためゆで汁に溶け出すので、そば湯を頂くのがおすすめです。

コリン
そばはお酒の害を少なくすると昔からいわれています。コリンは肝臓を保護し、お酒を飲む際に肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きがあります。また、腎臓の働きを助ける効果もあります。

ビタミンB1
糖質の代謝を促すので効率よくエネルギーに変えてくれます。疲労回復に効果があります。

ビタミンB2
多くの栄養素の代謝に関係しています。皮膚や粘膜の状態を整え、健やかに保ちます。

食物繊維
不溶性食物繊維が豊富に含まれています。糖の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑えてくれます。また便通を良くする整腸作用があります。

 

年越しそばは今年の災厄を捨て、新年に向けて願いを込めていただく伝統行事といえそうです。また具材の「海老」は長寿、「油揚げ」は商売繁盛、「葱」は「ねぐ」といって「労う」「祈る」という意味があります。

大晦日には年越しそばを食べて、新しい年をお迎えください!

食事で体を温めよう!

2020年 11月 24日 火曜日

11月になり寒い日が続くようになりましたね。
冬になると特に体が冷えて、なんだか調子がイマイチ…といったお悩みの方も多いのではないでしょうか?

 

体温を上げることは、

・免疫力が上がり、風邪をひきにくくなる
・基礎代謝が上がり太りにくくなる
・血流が良くなり、美容にも効果がある

などなど…私たちの体にとってメリットが多く、最近は「温活」という言葉もよく聞くようになりました。

 

温活の方法として、湯船に浸かる・下半身やお腹を温める・運動やストレッチをするなどがよく聞かれますが、食べるものに気を付けることで体を温めることもできます!

 

食べ物は、体を温める「陽性」のものと、体を冷やす「陰性」のものに分けられますので、今回は体を温める「陽性」の食べ物を覚えるポイントをご紹介していこうと思います。 

 

 

①冬に旬を迎える・寒い地域でとれる食材
1つ目のポイントとしては、冬に旬を迎える食材・または寒い地域でとれる食材です。
平均気温が低い北国では、寒さに耐えるだけの熱が必要なので、自然と体を温める食べ物を摂っています。
身体を冷やす傾向にある果物でも、寒い地域でとれるものは例外的に体を温めます。
例:かぼちゃ、カリフラワー、ねぎ、ごぼう、にんじん、れんこん、りんご、さくらんぼ、ぶどう、日本そばなど

 

②黒や赤、オレンジ色の食材
2つ目のポイントは食べ物の色です。火や温かさを連想させる赤・黄色・オレンジといった暖色系の食べ物や黒い食べ物には体を温めるパワーがあります。
魚やお肉も同様に色の濃い赤身の方が体を温める働きが強いです。
例:にんじん、かぼちゃ、とうがらし、鮭、マグロ、海老、赤身の肉、卵、明太子、黒砂糖、黒豆、ひじきなど

 

③地面の下で成長する野菜
3つ目のポイントは、地面の下で成長する野菜です。
地面の下に埋もれているものは、体を温める性質をもっています。
根菜類やイモ類は自分に熱があるので、熱い太陽から逃れようとして、地面の下へ深く伸びようとします。
例:さつまいも・ごぼう・にんじん・ネギ類・しょうが・れんこんなど

 

④発酵の有無も体の温度に関係
4つ目のポイントは発酵です。発酵しているものは、成分が酸化して「酵素」を生み出します。
酵素は体内で食べ物の消化などを行う働きがあり、その働きの際に熱を生み出すので、体を温めると考えられています。
例:キムチ、納豆、チーズ、味噌、漬物、紅茶など

 

逆に、以下のものは体の熱を逃がす効果があるとされます。

*夏に旬を迎える・暑い地域でとれる食材
*色が薄い食材
*地面の上になる野菜
例:トマト、なす、きゅうり、白菜、レタス、もやし、バナナ、キウイ、すいかなど

 

これらの「陰性」の食材にも、体に必要な栄養がたくさん含まれているので、上記の「陽性」の食材とうまく組み合わせたり、調理方法に工夫をしたり(体を温めるスープにする等)しながら取り入れていけるといいですね。

 

これらの基準は絶対的なものではありませんが、一つの参考になります。

季節に合った食材を賢く食事に取り入れ、健康に風邪やウィルスに負けない体を作りましょう!!

プチ不調でお悩みの方へ

2020年 10月 23日 金曜日

突然ですが、最近こんなことで悩んでいませんか?

  • 「季節の変わり目や天気が悪くなると体調が崩れる」
  • 「原因がよく分からないけれど、常に体の不調を感じる」
  • 「コロナの影響で、鬱々とすることが多くなった」

 

人のからだを構成する「気(き)・血(けつ)・水(すい)」

人のからだは「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の3つの要素が重要だと考えます。簡単に言うと「気」は生命エネルギー、「血」は血液、「水」は体液です。この3つが量、質ともに十分で、体の中をスムーズに巡り、バランスよく働いていれば、人は健康を維持できます。

体に不調が生じたときは、気・血・水の状態、量の過不足、滞りがないかなどを調べ、それに応じた対策をすることがポイントです。以下に6つのタイプと、お勧めの食べ物、養生法をまとめました。

 

「気」が足りないタイプ

  • 疲れやすくて、元気がない
  • 顔色が青白い
  • 食欲がない
  • お腹をこわしやすい
  • 風邪をひきやすい
  • お勧めの食べ物:「気」を補い、消化吸収がよいもの
    山芋もち米キャベツ大根カブジャガイモなど)
  • 養生法:過労や夜更かしなどを避け、体を休める

 

「血」が足りないタイプ

  • 顔色が悪く、つやがない
  • 爪が割れたり、変形したりする
  • 立ちくらみ、めまい、動悸がする
  • 冷え性
  • 悪夢をみることが多い
  • 髪が乾いたり、抜けたりする
  • お勧めの食べ物:体を温め、血を作る働きのあるもの
    赤身の肉イカタコ生姜長ネギほうれん草など)
  • 養生法:体を冷やさないようにし、睡眠を十分にとる

 

「水」が足りないタイプ

  • 肌や髪が乾く
  • 鼻や喉が渇く 声がかれる 空咳が出る
  • 頬が赤味を帯びる
  • 夜になると手足がほてる
  • 関節をスムーズに動かせない
  • 便秘がち
  • お勧めの食べ物:体を潤すもの
    白菜トマトバナナりんごキウイなど)※水分補給を心掛ける
  • 養生法:体内で水を作り出している胃腸の働きを高めることも大事なので、食事は適度に摂り暴飲暴食をしない

 

「気」の流れが悪いタイプ

  • 憂鬱な気分になりやすい
  • イライラして怒りっぽい
  • 喉に何か詰まっている感じがする
  • 咳が出る
  • 体に痛みがあり、痛む場所が変わる
  • 寝ている時に、よく夢を見る
  • お勧めの食べ物:香りのある食べ物
    春菊玉ねぎ生姜大葉セロリ柑橘類など)
  • 養生法:ストレスをためない。散歩や深呼吸、腹式呼吸で気分転換することを心掛ける。

 

「血」の流れが悪いタイプ

  • 顔色がくすむ
  • 目の下のクマや、肌荒れ、シミができやすい
  • 血管が浮き出ている
  • 顔や上半身は熱いのに、下半身が冷える
  • 肩こりがひどい
  • 刺すような痛みが、同じ場所に起こる
  • お勧めの食べ物ナスチンゲン菜キノコ海藻類 ※油っぽい食べ物は避ける
  • 養生法:有酸素運動を積極的に行い、血流をよくする

 

「水」の流れが悪いタイプ

  • 全身が重く、だるい
  • いつも頭が重い
  • むくみがある
  • めまいや吐き気がする
  • 水っぽい鼻水が出る
  • 下痢をしやすい
  • 二日酔いしやすい
  • お勧めの食べ物:利水作用のあるもの
    しじみ豆類(黒豆、大豆、小豆、そら豆)、きゅうり海藻類など)
  • 養生法:体を冷やさない。胃腸に負担をかけないために暴飲暴食しない

 

あなたはどのタイプでしたか?

食事養生法を組み合わせるとより効果的です。

大きな病気にならないうちに、セルフメディケーションを心掛けましょう!

 

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